旅行

2008/mar/16

Kalambaka二日目.
昨日の疲れが抜け切れぬまま、二日目の朝がやってくる.
初日で、メテオラ修道院の規模を掴んだつもりなので、今朝はややゆっくりめの始動.昨晩は、歩き疲れてベッドに潜り込んだため、体じゅうが筋肉痛、そして埃っぽい.シャワーを浴びて埃を落とし目を覚ますが、筋肉痛の方は落ちてくれない.
ホテルの朝食は非常に淡白.しかしながら、今回の旅で徐々に分かったことだが、ギリシャでは平均的な食事だった.部屋の宿泊題リストを見ると朝食代で10ユーロ.もし宿泊代に朝食が含まれていなかったら絶対に食べなかっただろう.朝食はビュッフェ形式なので、お腹一杯腹ごしらえをして、山道用にりんごを一つポケットに忍ばせる.何だかんだで9:00ホテルを出発.
昨日と同じルートで登山開始.昨日は各修道院に足を運ぶことを優先したが、今日はもう一度見たい修道院に集中する事にする.
筋肉痛の所為か、歩く足取りがとても重く感じ、なかなか前に進んでくれない.まあ、いそぐことは何もない.体をほぐすぐらいの気分でゆっくり、ゆっくりと.
昨日、訪れることが出来なかった修道院(Agi Nikolaos)が一つだけあったので、そこに立ち寄ることに.教会内のフレスコは、他の修道院と同様、ビザンチン様式.ただ、その保存は必ずしも良い状態ではない.ところどころ絵の判別すら困難である.しかしながら、昨日買ったガイドブックのおかげで、“誕生”や“最後の審判”などのフレスコを認識することができる.なんだか嬉しい.この修道院は屋上に上がることができる.さっそく上がってみると、昨日と同じ凄まじい風景.風も強く、足がすくんでしまう.この来て思うのは、メテオラの地の凄まじさ、それは標高のみにあらず、最後の一歩、この修道院の建物に登るところにあるのだと思う.一歩間違えれば死ぬかもしれない過酷な環境は人の想像を超えている.


(これはルサヌー修道院の一室なのだが、床の一部が外に突き出ているようにも見える.)

この修道院で、ドイツからギリシャへ移住された老人に声をかけられる.人懐こい御爺さんは、オイラが教会の中で頭上のフレスコを見上げていると微笑みながら声をかけてきた.残念なことに互いの言葉が理解できなく、あまり会話らしい会話を交わすことができなかった.

この修道院のおみやげ売り場にはメテオラの修道院を撮影したDVDが販売されていた.なんだか、メテオラまで商業主義に汚染されてしまっているのかと悲しい気持ちになり、購入は控えたが、日本に帰ってきて思い返すとやっぱり買っておけば良かったと少し後悔.帰り際、入り口の受付にいた男性(たぶん20,30代)に声をかける.
「こんな険しく高いところで働いていて怖くないの?」
と.するとこのお兄さん
「全然平気、だって頑丈な建物だよ.」
と言って、入り口の柱を揺さぶりはじめる.「ちょっとまってくれー」と心で思いながら、この人たちの頭の中は絶対に理解できないと痛感する.ちなみにこのお兄さんは修道院の壁を建てているらしい.素朴なお兄さんとの会話を後に、再び山頂(Megaro Meteoron)めざすべく山道へ復帰.
鳥のさえずりを聞きながら、筋肉痛を感じながら、すばらしい時間を過ごす.
約11:30頃、頂上に到着.ミネラルウォーターで喉を潤す.最高に気持ちがいいが、流石に疲れを感じ、頂上修道院の入り口の壁に腰を下ろす.すると隣の御爺さんが再び声をかけてくる.なんとこの人はユダヤ人でイスラエルから見学にやってきたらしい.彼は膝の具合が悪いらしく、特に下り道を歩く事が困難だそうで、仲間がMegaro Meteoronを拝観している間ここで休んでいるらしかった.「ユダヤ人が東方正教会ですか!」彼曰く、ユダヤ人もさまざまで近年は宗教的な戒律を重視しないユダヤ人も多いのだそうだ.例えば、ユダヤ人の中でも、最近は豚肉を食べる割合が高く、土曜に旅行をする人も多い.そんな話を30分ほど交わす. 彼にさよならし、Megaro Meteoron二日目の入院.


(Megaro Meteoronの遠景)

今日の目的は教会内のフレスコを思い存分眺めること.教会に入り、30分ぐらい教会内の席に座り頭上の絵を眺める.だれもいない教会内で、唯唯頭上をながめていると、木漏れ日が差し込んできて、とても穏やかな時間を過ごすことができた.そうしていると、昨日の院内の職員の方がやってきて声をかけてくれる.昨日オイラがいろいろ質問したせいか、オイラのことを覚えていてくれたようだ.とても嬉しい.
職員の方:「I am Dimitori. What’s your name?!
オイラ:「My name is オイラの名前」
Dimitori:「Are you Christian?」
オイラ:「No, I am not. But I am very interested in.」
Dimitori:笑顔.
そして、ここにいなさい、というようなジェスチャーをしながら何処かへ.しばらくして戻ってくると、修道院のメッセージカードをおみやげにくれる.ありがとうDimitori.

その後、Megaro Meteoronの中庭に出て、メテオラの町を眺めながら、ボーっと日光浴.気がつくと、近くに猫が同じように日光浴.風が強くなり始めた14:00ごろまでそこで猫ちゃんたちと日向ぼっこ.肌寒くなると下山開始.下山中、今度はとても大きな犬について来られて大変.

メテオラ町とカランバカ町の間ぐらいのタベルナ(レストラン)で遅い昼食.バーガーとビールを頂くともうフラフラ.ホテルに戻ると17:00ごろにはベッドにもぐり睡眠.


(これは、メテオラの解説書にある...)