• 映画

ゲド戦記」を観る.

原作者の応諾を得た上での作品である場合,原作者との間にどのような契約があったか不明なので何とも言えない.
がしかし,原作を映画化する場合,映画化する上での原作からの逸脱や新しい解釈などは,当然あってよいものだと思う.むしろ映画化する上で必要な作業であろう.なぜなら,限りある時間的尺のなかで映画特有の表現手法を用いた場合,どうしても原作どおりにストーリー展開できないこともあるからであり,そこに映画作成者側の新しい解釈があっても構わないと思うからである.
しかしながら,その新解釈を施した上での作品に対する批判は甘んじて受け入れるべきであろう.例えば,映画作成が,ゲド戦記という作品の本質的な趣旨は「限りある命を大切にまっとうすること」と考え,それを伝える作品にするためには,テナーがゴンドの村に住んでいなくてもよい(原作からの逸脱,新解釈)と判断したのなら,それで良いと思うのだが,作品を視聴する側の人間はその解釈に対して賛否分かれる.竜の道はなくてもよいのか,さいはての地はなくてもよいのか,等等.