■
- 読了
- 作者: アーシュラ・K.ル・グウィン,Ursula K. Le Guin,清水真砂子
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2006/05/11
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 1人 クリック: 5回
- この商品を含むブログ (40件) を見る
複数の登場人物が織り成す複雑な人間(と竜)の関係が,Earthseaの創世記以来のなぞを解き明かす.そして最後に人間の,竜の未来はどうなるのか?
前三作は,どちらかといえば登場人物が限られていて,かつ物語を展開していく上でその視線はある特定の登場人物に固定されていたと思う.それが,本作品ではいろいろな登場人物の視点から物語が展開し,そして最後にロークの森に収斂していく.
ゲド戦記という作品全体に流れる大きなテーマ「Earthseaにおける人間とは何なのか,限りある命とは何なのか」が取り上げられていて,すでにハイタカを中心とした作品ではなくなっているので,ハイタカの登場場面も少ないのは,少し残念であった.老いても,その聡明な見識は健在であることをもう少し読んでみたかった.