凛冽の宙 (小学館文庫)

凛冽の宙 (小学館文庫)

ハゲタカファンドと称される、不良債権にまとわりつく外資系金融機関やヘッジファンドの内幕を主軸にしたお話.不良債権の償却に拘わるからくりが丁寧に説明されている作品である.銀行が保有する不良債権も、ハゲタカファンドを経由して再生ファンドとして再投資すれば、リスクウエイトも変換するというからくりは、やはりこの国の矛盾を露呈し、ひいては政府をはじめとするガバナンス能力の限界を表すものだと思う.ただ、この小説の物語自身は、ちっとも面白くない.