白い犬とワルツを (新潮文庫)

白い犬とワルツを (新潮文庫)

昔、知り合いの人が「単館映画は日常の一こまを切り取ったような作品が多い」と語ったことがある.この表現は的を得ているなと個人的には思っている.つまり、日常の何の変哲も無い出来事を映画のこまとして切り取っているような作品がある.この「白い...」という作品は、その一こまが、人間の最期になったような作品だと思う.何の特別な出来事も無い作品であるが、読み終わった後は、人はみな死んでしまうという人間の摂理を改めて感じてしまった.