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大破局(フィアスコ)―デリバティブという「怪物」にカモられる日本 (徳間文庫)

大破局(フィアスコ)―デリバティブという「怪物」にカモられる日本 (徳間文庫)

著者は、1990年代の初頭から数年、投資銀行デリバティブのストラクチャリングの経験を持つ.本書は、その経験を基に、いかに投資家をだましてデリバティブを販売していくかを説明、暴露している.本書を読むと、そもそもエキゾチックなデリバティブというものは複雑なオプション条項を付与させていくことにより見せかけの投資魅力を増加させる一方で、そのデリバティブ時価を徹底的に切り詰めて行く商品が必要というニーズから生まれたものなのではと感じる.その為には、金利と為替を絡め合わせたデリバティブが必要となってくるし、金利モーゲージを絡めたデリバティブも必要となるであろう.ただ、日本の会計処理の網目を潜り抜ける為の、日本投資家用スペシャモーゲージ商品(MX)の説明には仰天する.1995,6年当時、本当に日本の金融機関はこのような、会計操作まがいの投資商品を本当に購入していたのだろうか.