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赤い楯―ロスチャイルドの謎〈2〉 (集英社文庫)

赤い楯―ロスチャイルドの謎〈2〉 (集英社文庫)

ロスチャイルド家の歴史書、同名タイトル書の第II弾.第Ⅱ段は、第一次世界大戦後から第二次世界大戦後までをカバー.話が進むにつれて、じょじょにトンデモ本の様相を深める.それでも、歴史上の事実を認識する上では有用な本とも思える.ただ、例えば、ニーチェとワグナーの関係の誤った記述などを読むと、著者の浅はかな分析が見えてくる.著者の主張するロスチャイルド家閨閥による世界戦略は、その規模が大きくなるにつれ、その他の利害関係との狭間で説明不可能となってくると思われる.(例えば、ロシア系ロスチャイルドの行動とロシアのユダヤ人迫害の行動の衝突など)個人的には、閨閥の戦略(同族結婚の繰り返しなど)と、生態系の観点から見た人間の営みとは相容れない行為と思う.