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命 (新潮文庫)

命 (新潮文庫)

柳美里自身の出産記。著者の境遇が在日韓国人ということ、また、お腹の中の子供の父親がすでに結婚しているという境遇の中、子供を産む作者の心の葛藤を書いた作品。作品自体が非常に重い雰囲気であるが、非常にわかり易い日本語なのでスムーズに読めてしまった。在日であるが故のひどい対応などは、作品を読んでいてひどいと感じてしまう。また、この作品を読んだ誰もが、子供の父親に怒りを感じてしまうだろう。しかしながら、あえて苦言を言えば、この著者はちょっとわがままだと思う。小説家として高収入でありながら、子供の養育費補助が貰えないからといって、激怒しているてんには「ちょっとまてよ、こら。あまえてんじゃねぇ」と言いたくなる。小説家というリスキーな仕事を選択しているのは自身なのだからそのリスクリターンを考えるべきである。それがいやであれば、もっと低給料であはあるが子供の面倒を見る時間のもてる仕事を選択するべきだ。子供の養育のすべてにおいて私一人では無理、他人の助けが必要といっている点にも著者の甘えを感じる。