采配

采配

TUTAYASTARBUCKS@大崎店で読了。
野村監督に「彼は何かを持っている」と言わせる落合博満氏。2011年の春頃から、本書の執筆を開始したとテレビで聞いたことがある。監督として、そして組織を牽引するリーダーとして如何にしてチームを勝利に導くかについて、日々思考を重ねていたのだろう。

彼は、決してエリート街道を進んできた選手ではない。だからこそ、自分がプロとして如何に生き抜くかを考えてきたのだろう。率直に言って、彼は非常にスマートだと感じる一冊である。

色々と印象に残るメッセージが多いが、驚いたのは、氏曰く「日本人は、外角の球を流し打ちでホームランにできるようなパワーは無い。俺は外角の球は得意ではなかった。」という告白。

落合といえば、外角球をスタンドまで持っていく流し打ちが代名詞だと思っていたのだが、実は、真ん中から内角の球を如何に引きつけて確り叩き、右方向に持っていくかを考えていたのだという。それを、マスコミが勝手に外角の球を流し打ちしたと勘違いして放送していただけ。インタビューで聞かれても、「真っ直ぐだったんじゃないの」ととぼけていた。それを20年間も騙し続けていたのだそうだ。

プロならば、自分の考えていることは最後まで他人に知られてはいけない。それは、管理職になったらもっと重要になるらしい。

舟を編む

舟を編む

本屋さん大賞作品。確かに小刻みでテンポの良い展開と「辞書」をテーマにしたストーリーに、本屋で働いている人なら好きになるに違いない、と思わせる作品だ。気分転換には持って来いだと思う。

時間の経過を上手く使った作品というのは、最後やっぱり、グッと来てしまう。