小説 東のエデン (ダ・ヴィンチブックス)

小説 東のエデン (ダ・ヴィンチブックス)

記憶を無くした少年が、ホワイトハウスの目の前で全裸で拳銃を持って現れる。出だしから、読み手の好奇心を一瞬にして掴んでしまう、そんな作品。電脳化した主人公が現れるでもなく、かっこいロボットが出てくるでもなく、普通の少年が主人公なのだけれども、社会的閉塞感の漂う近未来日本が舞台。大人が残したバブルや平成不況など”遺産”を受け継いだ次世代の若者たちのわだかまりが物語の背景にあるのだろうか。世代の真ん中に位置しているだけに複雑になってしまう。