夏の庭―The Friends (新潮文庫)

夏の庭―The Friends (新潮文庫)

新潮文庫夏の100冊から、今年は[夏の庭」を選択。

死に対して漠然とした疑問を持つ少年達、そしてある老人との一夏の出会い。快晴の青空と快活な少年達の姿が目に浮かぶような、爽やかな物語。そして最後には悲しい結末。死に対する姿勢をとても前向きに捉えた作品。
自分の少年時代を思い出すと、死に対して否定的な価値観を抱いていた記憶はない。でも、幽霊とかおばけなどという不明な対象には恐怖を抱いていたので、死に関する恐れみたいな抽象的なイメージは抱いていたかもしれない。
作者の祖父に対する思いやりが作品の背景にあるのだろう。少年達と老人とのコミュニケーションは、作者本人と祖父とのそれをモチーフにしているのかもしれない。