ドキュメント・聖地エルサレム (NHKスペシャルセレクション)

ドキュメント・聖地エルサレム (NHKスペシャルセレクション)

週刊文春立花隆による書評記事を読んで購入した本.現代におけるエルサレムの問題を丁寧に説明している.「ヨルダン川西岸」などの表現を多用する前に、地図などによる呼称の説明があればもっと分かり易いのにと思う.それでも、イスラエルの今日までの歴史に関する概略的説明があるなど、入門書としてお勧めである.筆者は、パレスチナに同情的な発言が多いが、それが客観的な見方だと思う.もちろん、だからと言って、パレスチナのテロ活動は否定すべき行動であることに変わりは無い訳であるが.自身の命を落とすまでの自爆テロという行動に追い詰めた、イスラエルによる入植行為というものが、いったいどれだけパレスチナ人を追い詰めているか、対岸の火事的な視点でしか本問題を見ていない日本人には理解できないであろう.(自分を含めてである.でも、それでは(日本人の)真の国際化は、ほど遠いと思うのだが.)