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神々の山嶺(上) (集英社文庫)

神々の山嶺(上) (集英社文庫)

神々の山嶺(下) (集英社文庫)

神々の山嶺(下) (集英社文庫)

チョモランマのふもとネパールを舞台にした、山岳小説.主人公羽生は、いまだ誰も達成したことのないチョモランマ南西稜の単独無酸素登頂を目指す.この「誰も達成したことのない登頂を成し遂げる」という姿勢に、人間がこの世に生をなして来た証のようなものを重ねてしまう.そんなことを考える現代人ってあまりいないような気がするけど、重要のなこと.作品全体にながれる羽生の生き様から映し出すそのようなテーマには共感するし、羽生の強烈な個性やわがままぶりにも共感する.また、マロニーに関するミステリーをそのモチーフに持ってくるところもおもしろい.