赤と黒(上) (新潮文庫)

赤と黒(上) (新潮文庫)

赤と黒(下) (新潮文庫)

赤と黒(下) (新潮文庫)

フランス旅行中から読み始めた作品.その作品の発表された年代のせいか、読むのに時間がかかってしまう.正直なところ、前半までは殆ど楽しむことができなかった.
作品に引きずり込まれるようになったのは、マチルド(ラモール公爵孃)が登場し、ジュリヤンと恋の駆け引きを始める頃.彼らの心の駆け引きを読んでいると、これでも恋愛なのかと疑問をもってしまうが、一方で恋愛とはこんなものなのかもしれない、特にジュリヤンのような打算的な計算の方が普通なのかもしれないと考え込んでしまう。

それにしても、話の展開に温度差がありすぎる。突然、なんの説明もなく話が進んだかと思うと、永遠に続くような心の駆け引き。作品の雰囲気に慣れるのに時間がかかってしまうが、フランスの歴史的な背景も複雑に入り組んだ作品であろう。

総じて一度は読んでみる作品だとは思った。